風景写真を撮っていると、
時々不思議な感覚に陥る事がある。
以前、樹齢百年を過ぎたしだれ桜と
対峙した時はそればかり考えていた。
見事に満開の花が、
風で微かに散りだした絶好のタイミングで、
画を切り取らせてもらった。
が、昨日もここで同じように
カメラを構えている人間がいただろう。
それは十年前も、そして十年後も。
更に、ここに来なければ、
ここに来ようと思わなければ、
出会えなくて感じる事もできなかった。
人との出会いはもっと偶然だと思う。
僕たちは時間と空間のうねりの中にいて、
多少の意志は働くものの見えない力によって出会う。
そしてそこには、運命さえ感じる事がよくある。
1999.04.21 水中の枝垂桜
My Home Page『
gentle*time』